寝具を探していると、「昭和西川」と「西川株式会社」という、よく似た名前の会社に行き当たります。
「これって同じ会社なの?」「どっちを選べばいいの?」と、頭が混乱してしまった方もいるのではないでしょうか。
結論から言うと、両社はルーツを同じくしながら、現在は別々に運営されている会社です。
この記事では、なぜ「西川」が2つあるのか、それぞれ何が違うのかを、確認できる事実にもとづいて整理します。
読み終えるころには、もう名前で迷うことはなくなるはずです。
なぜ「西川」が2つあるのか
そもそも、名前の似た会社が2つあるのは、両社が同じ源から枝分かれしたためです。
その源は、1566年(永禄9年)にさかのぼります。
近江国(現在の滋賀県)で、初代・西川仁右衛門が商いを始めました。これが「西川」の共通の起点です。
以来450年以上、西川の名は寝具とともに歩んできました。
もともとひとつだった西川は、時代を経て複数の会社へと分かれていきます。第二次世界大戦のころ、それぞれの地域や役割ごとに会社が独立していきました。
同じ「西川」の名を掲げながら、別々の法人として歩む時代が長く続いたのです。
昭和西川も西川株式会社も、この大きな西川の系譜のなかから生まれた会社だと考えると、関係が整理しやすくなります。
分かれた各社は、それぞれ独自の販売エリアや商品を持つようになりました。「あの地域はこの西川が強い」といった具合に、住み分けをしながら発展してきたのです。
株を持ち合うなどの資本関係はありながらも、日々の経営や商品開発はそれぞれが独立して行ってきました。
この長い分社の時代があったからこそ、今も複数の「西川」が存在しているわけです。
西川株式会社とは(2019年に3社が統合)
現在の「西川株式会社」は、比較的新しく生まれた会社です。
2019年2月1日、それまで別々だった西川産業(通称・東京西川)、西川リビング(通称・大阪西川)、京都西川の3社が経営統合し、「西川株式会社」として新たにスタートしました。
この3社は、もとは同じ西川でありながら、地域ごとに独自の販売網を築き、それぞれオリジナル商品を開発してきました。
約80年ぶりに再びひとつにまとまったのが、この統合です。
西川株式会社の主力商品としてよく知られているのが、マットレスの「AiR(エアー)」シリーズです。
多くのトップアスリートが愛用していることで話題になり、百貨店などでの知名度も高い会社です。旧・東京西川などの販売網を受け継いでいる点も特徴といえます。
昭和西川とは(独立したメーカー)
一方の昭和西川は、この2019年の統合には加わっていません。独立したメーカーとして、独自の道を歩んでいます。
昭和西川は、もともと西川の製造部門として設立された会社です。
「作る側」としての性格を持ち、ものづくりに強みがあります。
会社としての設立は1942年。1968年に現在の「昭和西川株式会社」へと社名を変えました。
昭和西川の代名詞といえば、ロングセラーの「ムアツ」です。
点で身体を支える独特の構造を持つこの敷き寝具は、もともと床ずれ防止のために医療現場から生まれたという歴史があります。
医療分野で培った実績が、品質への信頼につながっています。硬めの寝心地を好む方に、根強い人気があります。
2社の違いを整理すると
ここまでの内容を、シンプルにまとめておきます。
・共通のルーツ:どちらも1566年創業の西川家を源とする
・西川株式会社:2019年に東京西川・大阪西川・京都西川が統合して発足。主力はAiRなど
・昭和西川:統合に加わらず独立したメーカー。もとは製造部門で、主力はムアツ
・ 現在の関係:ルーツは同じだが、今は別々に運営される会社
「同じ西川だから中身も同じ」というわけではなく、それぞれが異なる強みと商品を持っています。
名前が似ているのは、遠い先祖が同じだから、とイメージするとわかりやすいかもしれません。
結局、どちらを選べばいい?
どちらが良い・悪いという話ではありません。両社とも、日本の睡眠文化を長く支えてきた確かなメーカーです。大切なのは、自分に合った寝具かどうかです。
スポーツ科学の知見を取り入れた機能性や、デザイン性を重視するなら西川株式会社のAiRシリーズ。
医療現場由来の歴史や、点で支える硬めの寝心地に惹かれるなら昭和西川のムアツ。そんな選び方の軸が見えてきます。
とはいえ、寝具は毎日身体を預けるもの。カタログの情報だけで決めず、できれば店頭で実際に寝心地を試すのが一番です。
名前の違いに惑わされず、自分の身体が心地よいと感じる一枚を選んでください。
なお、昭和西川の成り立ちをもっと詳しく知りたい方は、あわせて昭和西川の歴史をたどる記事を読むと、西川の系譜がより立体的に見えてきます。

